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【相続・遺言】自筆証書遺言の保管制度とは?

最近よくあるご相談の中で、遺言の保管制度をご説明します。

自筆証書遺言とは?

自筆証書遺言とは、遺言者が自らの手で全文、日付、署名を記載し、作成する遺言書のことです。遺言者の意思を明確に反映させるための重要な手段ですが、適切に保管されないと紛失や改ざんのリスクがあります。

自筆証書遺言の保管制度とは?

自筆証書遺言の保管制度は、遺言者が作成した自筆証書遺言を法務局に預けることで、安全かつ確実に保管する制度です。この制度を利用することで、遺言書の紛失や改ざんのリスクを大幅に減少させることができます。

保管制度のメリット

  1. 安全性の確保:
    • 法務局で厳重に保管されるため、遺言書の紛失や改ざんの心配がありません。
  2. 検認手続の不要:
    • 保管された遺言書は、家庭裁判所での検認手続が不要となり、相続手続がスムーズに進みます。
  3. 遺言書の存在確認:
    • 遺言者の死亡後、相続人は法務局に遺言書の存在を確認することができます。

保管の手続き

  1. 事前準備:
    • 自筆証書遺言を作成し、必要な情報(全文、日付、署名)を記載します。
  2. 申請書の提出:
    • 法務局に保管申請書を提出します。申請書には、遺言者の氏名、住所、生年月日などの基本情報を記載します。
  3. 本人確認:
    • 法務局で本人確認を行います。運転免許証やパスポートなどの身分証明書が必要です。
  4. 保管料の支払い:
    • 保管料を支払い、遺言書を法務局に預けます。保管料は、遺言書1通につき数千円程度です。

通知制度について

自筆証書遺言の保管制度には、遺言者の死亡後に相続人へ通知する制度が含まれています。この通知制度により、遺言者の意思が確実に伝わるようになっています。

通知の種類

  1. 関係遺言書保管通知:
    • 遺言者の死亡後、相続人や受遺者、遺言執行者などの関係相続人等が遺言書の閲覧や遺言書情報証明書の交付を受けた場合、法務局から他の関係相続人等に対して遺言書が保管されている旨が通知されます。
  2. 指定者通知:
    • 遺言者があらかじめ指定した方(最大3名)に対して、遺言者の死亡後に遺言書が保管されている旨が通知されます。この通知は、遺言者が希望する場合に限り実施されます。

通知の流れ

  1. 関係遺言書保管通知の流れ:
    • 遺言者の死亡後、関係相続人等のうちの誰かが遺言書の閲覧や遺言書情報証明書の交付を受けると、法務局は他の関係相続人等に対して遺言書が保管されていることを通知します。
  2. 指定者通知の流れ:
    • 遺言者が指定した方に対して、遺言者の死亡が確認された時点で法務局から通知が送られます。この通知により、指定された方は遺言書の存在を知ることができます。

自筆証書遺言の問題は、どこに安全に保管しておくのか、遺言者の死亡後、確実に相続人がその存在を知ることができるか、という点でした。この制度は、これらの問題点をクリアすることが可能になります。

遺言書の作成を検討されている方は、ぜひこの制度の利用をご検討ください。

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